はじめに
ポートフォリオは時間が経つにつれて、各銘柄の価格変動等で当初のバランスから乖離します。 そのため、狙ったリスクとリターンが得られなくなる可能性があります。 場合によっては狙ったものより良い結果が得られる可能性もあるわけですが、 「よくわからないけれど儲かった!」とか「よくわからないけれど損をした!」というよりも、 基本的にはコントロールされた資産運用が望ましいと思いますので、バランスが崩れたポートフォリオは定期的に リバランスして狙った割合に戻します。
ポートフォリオの割合を決めるには以下の記事を参考にしみてください。
リバランスの効能
リバランスで狙ったリスクとリターンに戻すというのがそもそもの目的ですが。 バランスが崩れる原因は、A銘柄の価格が上がり、B銘柄の価格が下がるといったことが起こるからです。 全ての銘柄が同時に同じ様な割合で価格が上がったり、下がったりすればリバランスの必要はありませんが、その様なことは通常 起こりません。
リバランスは、値上がりした銘柄を売り、利益を確定し、値下がりした銘柄は買い増すと言った行為です。 値下がり銘柄に関してはナンピン買いみたいなイメージにも見えますが、基本的に「安く買って、高く売る」 という王道を自動的にすることになります。
リバランスは価格の変動に合わせ感情に任せてするのではなく、機械的に定期的に行うものです。
リバランスの回数と時期
1年に最低1度実施すると良いです。僕の場合は以下の時期にやっています。 リバランス時期に関してはあまり理論的な裏付けはありません。
- 1年間の損益の集計が出揃った頃
- お盆休みや年末年始休暇
- 大型連休
あまりにも大きな乖離が生じている場合は考えなければなりませんが 一時的な変動ということも考えられますので、時価に一喜一憂せず落ち着いて リバランスする時期を見極めましょう。
社会人ならば、割と普段は疲れ果てているので、上に示した時期にするのが妥当だと思います。
リバランス作業で最初に確認すること
リバランスというのは、保有銘柄の価値=銘柄の時価×保有数を当初予定した割合に立て直すことです。
また、ポートフォリオには貯蓄と有価証券の割合も含まれているので、貯蓄が増えすぎたら、 または、有価証券の価値が大きくなりすぎたら、そちらもバランスをとります。
ということで、具体的にリバランス作業をするときに確認しておくことは次のことです。
- 追加投資資金額
- 各銘柄の現在の価格
- 各銘柄の保有数
- 理想の各銘柄の保有比率(%で考えておく)
貯蓄と有価証券のバランスは追加投資金額で調整します。貯蓄が多ければこちらをマイナスにすると考えれば良いです。
以上の確認ができたら、あとは紙と鉛筆、電卓、エクセル、Python、C言語何を使ってもいいので計算をします。 計算は四則演算しか使いません。
リバランスの計算手順
- 保有する各銘柄の時価(単価)と保有数を掛けて各銘柄の価値を算出して、それらを全銘柄分を全て足し合わせ、さらに追加の資金額を加えて、「全保有銘柄の価値」を計算します。
- A銘柄の理想の保有比率をA%とすると、
全保有銘柄の価値×A÷100
を計算して、持っているべきのA銘柄の価値を計算します。 持っているべきのA銘柄の価値÷A銘柄の時価(単価)
を計算して、持っているべき株数(口数)を計算します。持っているべき株数-その銘柄の現在の保有数
を計算して、どの程度買い足すのか、あるいは売るのかを見る- 実際は単位株があるので、単位株に丸める。(自分の場合は端数は切り捨てる。)
- 以上を各銘柄分実施
こうやって手順を書くと難しく感じるかもしれませんが、一度やるとそんなに難しいものではありません。
例としては保有銘柄が3つの場合で架空の価格、保有数、理想の保有割合にもとづいて、買い足し数、売り数を計算した場合が、下の表の様になります。
上記の例では、新たに追加の資金はありませんが、ある場合は価値の合計にその分を加えます。
おわりに
単位株などがあって計算通りにはいかず理論値からはずれが生じます。よって、予算を使い切ることは実際は難しいのですが、多少の余力は残して、次のリバランスの際に使えば良いと思います。
簡単な計算でもやるとなると面倒です。 一度スプレッドシートやプログラムに落とし込めば、次からは楽になるのでお勧めします。
また、実際は現金の口座の移動なども生じるので、そういったことも面倒になる一因です。ですので長期の休みにやることを計画しておくことが、続ける秘訣でもあると思います。
今回はお盆休みがあったので、手順を忘れない様にまとめてみました。Pythonで計算用のプログラムも自分用に作りました。
それでは、またの機会に!