はじめに
こんにちは、こうへいです。
昨日、Twitterに投稿してみたんですが、誰でも見たことありそうなのですが、そう言われると、確かめてみたくなるネタではないかと個人的に思っています。
名刺や葉書を前に放ると必ず後ろ周りしながら落ちていきます。これを話して実演すると意外と面白がってもらえます。どうして?と思って貰えれば成功です。 pic.twitter.com/dpWy4JR5MK
— Kouhei Ito (@kouhei_kanazawa) March 15, 2020
名刺やハガキを前に押し出すように放る
名刺やハガキを前に押し出すように放ると、自然に後転しながらヒラヒラと前に落ちていきます。 最初から後転するように前に押し出しても綺麗にそうなって落ちていきます。
これを、無理に逆回転させようとして放り出しても、決して綺麗に落ちません。 自然の摂理に逆らおうとしても、うまく行かないのです。
平たい板の空気力学的特性
図解しましたが、平たい薄い板を考えたときに、風に対する板の角度を航空工学では 仰角(むかえかく)angle of attackと呼びます。
迎角を大きくしていくと、揚力という板を上に持ち上げる力が働きます。
揚力の働く場所は平たい板では前から板の全長の25%の位置と決まっています。ここを風圧中心と言います。 本当は空気の力は翼全体に働いていますが、それらを全て集めた力がその点に働いているとみなせます。
ここで普通の均一の密度の板ならば板の重心は真ん中にあります。
重心より離れた位置に揚力が働くので、重心周りに回転させる作用(モーメント)が働いて、板は回転します。
図解を確認して頂きたいのですが、重心と風圧中心の関係と揚力の向きにより、常に板には後ろ周りのモーメントが働き、板は後ろ周りに前に進みながら、落ちていきます。
ちなみに、後ろ周りの後ろは、前に落ちていくと言ってる方向を基準としています。
難しいのは、風圧中心が同じになるというところですが、ここは現時点では手に余るので、後ほど紹介する参考文献に委ねたいと思います。
おわりに
この話題は、航空工学を勉強しようとする人に話すと興味をもって勉強できるかと思って, いつも実演しながら話させてもらっています。
流体力学、空気力学、航空工学をちゃんと勉強しないと理解するのは難しく、いまだにひっくり返った後のところに関しては そうならないと辻褄が合わないと言った理解で恥ずかしい現状です。
ちゃんと勉強しようとすると「薄翼理論」というのがまず手掛かりになるので、それらに関連した参考文献を紹介したいと思います。
まず一つ目は、ひよこ先生のつぶやきが面白いです
#知っていると便利な薄翼理論
— ヒヨコ先生 (@Hyokonoko) April 16, 2018
薄翼理論は近似的な理論ですが、NACAの層流翼はこの理論で設計されましたし、セオドルセン、シアーズなどの非定常翼理論も薄翼理論の延長です。簡単にまとめたので読んでください。 pic.twitter.com/nA7l9cp0T1
また、以下の航空工学の教科書のなかに「薄翼理論」というのがあります。これは僕も使った教科書です。
もう一冊、空力関係で学生時代に使った教科書を紹介します。これをちゃんと読めれば良かったんですが・・・
今日はこの辺で終わりにしたいと思います。 今回は、話題を随分と変えて見ました。
では、また!