理系的な戯れ

理工学系とくにロボットやドローンに関する計算・プログラミング等の話題を扱って、そのようなことに興味がある人たちのお役に立てればと思っております。

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

高校数学で紐解くカルマンフィルタ

はじめに カルマンフィルタは、ロボット工学や信号処理などで使われる「最適推定」の方法の一つです。その本質は、誤差の分散を最小にするアルゴリズム であることにあります。これは、高校数学で習う2次関数の最大・最小問題を解くことと本質的に同じ です…

クォータニオンと回転行列

はじめに ドローンやロボットの制御において、姿勢表現は非常に重要です。オイラー角は直感的である反面、ジンバルロックという問題があり、連続的で安定な回転表現には適していません。一方、クォータニオンはこの問題を克服し、滑らかで連続的な回転表現を…

オイラー角とは?回転表現の基礎からジンバルロックまで

はじめに ロボット工学や航空宇宙工学、ゲーム開発など、多くの分野で物体の姿勢(向き)を扱う際に使われる代表的な表現方法が「オイラー角(Euler angles)」です。オイラー角は直感的に姿勢を理解しやすい反面、使用方法を誤ると混乱しやすい特徴もありま…

方向余弦行列

1. 方向余弦行列(DCM)とは? 方向余弦行列(Direction Cosine Matrix, DCM) とは、ある座標系から別の座標系へベクトルを変換する際に用いられる正方行列のことです。主に「剛体の姿勢表現」や「座標変換」に用いられ、3次元空間における回転変換を表現し…